木内 清  墨田区議会議員 区民 の皆様への恩返し、区政のさらなる発展のため、誠心誠意努力する覚悟でございます。

木内 清 墨田区区議会議員
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平成22年 第1回区議会定例会 木内議員への区長及び教育長答弁要旨

(区長答弁)

1 現政権の政策運営について

新政権の当面の経済対策を含めた国政運営のビジョンが今一つ明確でなく、地方行政の運営に携わる者として、その先行きに憂慮している。そうした論議の下に、何点かの質問があった。

第一に、私のこれまでの3期に亘る区政運営についての評価である。 私はこれまで区政運営の基本姿勢として、「将来のすみだを見据えたまちづくり」と「区民の目線でわかりやすく信頼される区政展開」を掲げ、さらには長期に亘る景気低迷の中で、「区財政の健全化」を最重要課題として、山積する諸課題の解決に全力で取り組んできた。

その評価についてだが、「将来のすみだを見据えたまちづくり」については、これまでの墨田区基本構想は21世紀に向けたすみだづくりの構想であったことから、21世紀という新しい時代を迎え、21世紀初頭のすみだづくりについて、区民の皆さんを始め、区議会や各界各層のご意見もお伺いし、新しい墨田区基本構想とそれを実現するための基本計画を策定した。そして、活力あるすみだづくりに向けての布石も大切であると考え、大量輸送交通機関としての地下鉄半蔵門線の実現にも努めてきた。さらに、地域産業の活性化には多くの来街者の訪れるまちを創ることが必要であるとの観点から、東京スカイツリーの誘致にも積極的に取り組んできた。

「区民の目線で分かりやすく信頼される区政展開」については、これからの多様化する行政ニーズに対し、区民や事業者、町会・自治会などの多様な主体がその役割分担に基づき協治(ガバナンス)によるまちづくりを推進するための条例の制定について検討を進めさせていただいた。

「区財政の健全化」については、バブル崩壊という厳しい社会経済の下、区財政が破たんすることのない様、全力で行財政改革にも取り組んできた。そういった中で財政の健全化を確保するうえで人件費や公債費といった義務的経費の圧縮が何にもまして必要との観点から様々な対策を講じ職員数も区債残高も減らすことができ、各種の財政指数も大幅に改善できた。

そういうことも踏まえての自己評価については、区民や区議会の皆様の評価を待つことになるが、一定の成果は挙げ得たものではないかと考えている。
次に私の今任期の最終年となる22年度の区政運営については、本会議の所信表明の中でも申し上げたが、次の4点に特に意を用いていく。第一に基本計画の着実な推進 第二に新タワー関連事業への取り組み 第三に緊急経済・雇用対策の実施 第四に行財政改革の推進である。これらを確実に実施することで、将来のすみだのまちづくりにつなげていきたいと考えている。

2 平成22年度予算案について

(1) 予算編成全般について

22年度予算は、前年度対比で8.2%、79億円余の増となっている。これは、子ども手当の予算計上をはじめ、生活保護費の増、学校施設の耐震改修や学校統合に伴う増改築、保育園待機児解消のための施設整備助成、再開発事業の進捗に伴う事業費、東京スカイツリー関連事業の増といった要因によるものである。また、こうした事業を実施するための財源としては、国庫補助金等の特定財源の確保はもとより、多額の一般財源も必要となるところである。

しかし、景気の低迷により区民税の減収が見込まれるほか、特別区交付金についても市町村民税法人分の減により大幅な減収を見込まざるを得ないところである。このため、行財政改革の取り組みをさらに進め、職員定数の削減等の内部努力はもとより、事業の見直しなども行ったほか、事業の優先性・緊急性を勘案し、計画事業の先送りなども含めて経費の圧縮を図ったところである。そして、こうした対応を行ってもなお不足する財源を補うために、将来負担にも考慮して起債の活用を行うほか、積立基金の繰入を行うことによって、予算編成を行ったところである。

なお、起債については、残高が増加することに伴い、将来における公債費支出の増につながることから、起債残高の上限を当面は概ね350~400億円とし、各年度における適債事業に充当することと考えている。なお、22年度末の起債残高は約302億円と見込んでいる。

次に、21年度の特別区交付金に関して、調整税の年度途中における減収補てん策についてお尋ねがあった。今回の財調協議のなかで、都区間において数度にわたる協議の結果、12年度の都区制度改革時に都区で合意した区市町村振興基金による貸付けが行われることとなり、償還経費については、実際の借入にかかわらず、翌年度以降基準財政需要額として算定されることとなっている。

(2) 「子ども手当」について

児童手当は、児童を養育する場である家庭における生活の安定に寄与するという所得保障施策の役割とともに、児童の健全育成、資質の向上に資するという児童福祉施策の役割がある。一方、子ども手当は、次代の社会を担う子どもの健やかな育ちを社会全体で支援するために一律支給するものであり、子育て支援施策、児童福祉施策の役割が中心となっている。したがって、この二つの手当は、子育て支援という趣旨で重なる面もあるが、所得保障機能といった面では違いがあると認識している。

新政権は、先の総選挙におけるマニフェスト等において、全額国庫負担で地方には負担を求めないとし、その方向で制度設計されるものと理解していた。しかしながら、国は、22年度限りの暫定措置ではあるが、子ども手当の一部として児童手当を支給する仕組みを残し、児童手当分については、児童手当法の規定に基づき、地方負担を求めることとなった。今回の国の対応は、極めて遺憾である。全国市長会では「子ども手当に関する緊急決議」により、地方軽視として遺憾の意を表明し、23年度以降は全額国庫負担することを求めているが、特別区長会としても、23年度の国への要望事項の中で、全国市長会を通して、「子ども手当の財源は、国の責任において全額国庫負担とすることや事務経費についても財源措置を講じること。」を要望することとしている。

(3) 東京スカイツリー関連事業について

施設整備にあたっては、整備費のみでなく、整備後の管理運営費などのランニングコストも考慮して計画をしている。すみだ北斎美術館については、東京スカイツリー開業に合わせ本区内を周遊していただくための観光拠点の重要なひとつであり、葛飾北斎の偉業を永く顕彰するとともに、新たな文化創造の拠点として整備をしようとするものである。また、環境ふれあい館についても、環境体験学習施設として、東京スカイツリーとあわせて整備したいと考えていたが、東武鉄道がタワー街区内にドーム型シアターや水族館の計画を発表したことを踏まえ、その内容等を見極める必要があることから、本区の整備計画を一時保留とした。

また、東京スカイツリー関連事業の財源としては、まちづくり交付金を充てることとしており、すでに平成20年度から24年度までの5年間を計画期間とする都市再生整備計画の承認を得て、これまで算定されてきた。国家的プロジェクトレベルの性格をもつものであることを強く訴え、24年度まで満額が算定されるように強い決意を持って臨んでまいりたい。

なお、万が一、まちづくり交付金が満額交付されないような状況となった場合には、区の財政運営にも極めて大きな影響が生じることとなるため、場合によっては、未着手の事業に関して見直しを検討せざるを得ない状況となることも考慮する必要があるが、現時点では計画に沿って実施をさせていただきたいと考えている。

(4) 新タワー開発街区内の水族館、ドーム型シアターの進出計画について

昨年の4月、開発街区の建設計画について、階数や一部用途の変更に伴い事業者から7階の2層吹き抜け部分をドーム型シアターに変更したいとの報告があった。その時点では、プラネタリウムを考えているとのことだったが、詳細な内容等については、今後、検討していきたい、とのことだった。
その際、区としては、近接地に生涯学習センターのプラネタリウムがあることから、具体的な施設内容の検討にあたっては十分配慮願いたいと申し入れている。

その後12月になって、ドーム型シアター及び従来、ミュージアムとされていた部分については水族館として、それぞれの施設について運営事業者が決定したとの報告が東武鉄道からあり、施設の概要が発表されたという経緯である。

環境ふれあい館の今後の方向については、東武鉄道と東武タワースカイツリーが進めている(仮称)墨田水族館と多機能型ドームシアターが、環境ふれあい館との事業内容で重複することが考えられるので、東武鉄道等との十分な情報交換、意見交換を図りながら、水族館とドーム型シアターの具体的な施設内容や運営方式等を調査し、その結果を踏まえて、環境ふれあい館の必要性も含めた今後のあり方を検討していきたいと考えている。

今後、施設建設が進む中で、区を含めた関係者協議は当然のこととして必要なので、早期の情報提供等も含めて改めて事業者に申し入れしたい。

(5) 中小企業対策について

経営安定資金の信用保証料の全額補助の実績については、対策の実施当初から今年1月末まで、約15ヶ月の全期間を通算した実績では、申込み件数が3,033件で、融資総額は約213億8千万円となっており、区内企業の緊急の融資需要に対して相応の対応が図られたと受けとめている。
今後の景気の動向については、まだまだ予断を許さず不透明な状況であり、まだしばらくは厳しい状況が続くのではと認識している。したがって、区としても引き続き可能なかぎりの対策を講じ、その一つとして、本年度末までの時限的な緊急対策である経営安定資金の信用保証料の全額補助を、来年3月まで1年間の期間を延長することとし、所要の経費を来年度の当初予算としてご提案した。

中小企業金融円滑化法の本区における適用実績については、明確に把握しきれていない状況であるが、中小零細企業を取り巻く経営環境に厳しさが続く中で、条件変更に関する金融機関への相談は増加することも見込まれており、金融機関側も相談窓口の拡充を行うなどの対応を取っていると仄聞している。

また、信用力低下の評価を受けた企業に対するフォローについては、区の制度融資活用の周知に努めるとともに、商工相談において、経営改善計画の相談等にも応じていきたい。

3 観光立国への対応について

平成24年春の東京スカイツリーの開業は本区にとってビッグチャンスであり、この機を捉えて墨田区の魅力を内外に積極的に発信していくことは非常に重要であると考える。全国からの本区に対する関心も非常に高まっていると感じている。区内には、小さな博物館・工房ショップを始めとする本区ならではのユニークな施設や文人墨客のゆかりの地など様々な観光資源が存在する。
このような観光資源を普段からPRし、新タワーを訪れる方々に、新タワー街区だけでなく、区内を周遊していただくためには、広報活動の強化が重要であると考えている。そこで22年度は、戦略的な広報活動を全庁的に展開するために、庁内にプロジェクトを立ち上げ、区の持つ情報を共有し、社会状況に応じた広報活動を展開していきたいと考えている。

行政情報をわかりやすく区民の皆さんにお届けするため、新聞購読率が低下している現状の中で平成19年度から区報については、駅や公共施設等での配布に加え、スーパーやコンビニエンスストアなどでの配布を始めた。また、区のホームページに区報を掲載するほか、携帯電話やパソコンに区政情報を発信する、メール配信サービスを23区で初めて導入している。22年度は、戦略的広報の一環として、公式ホームページのリニューアルを行うとともに区報のデザイン編集等を専門家に委託をし、区民の皆さんによりわかりやすい行政情報をお届けできるよう努めてまいりたいと考えている。

これまで、区では、区民の皆さんと情報共有を行うために、行政情報の提供や情報公開条例に則った情報公開など、情報提供に努めてきた。しかしながら、ガバナンスの前提として、それらの情報の提供が不可欠である。
したがって区民の皆さんの区政への参加機会の充実のために、様々な施策の立案段階の区政情報をどのようにわかりやすく提供するか、十分に検討する必要があると考えている。また、区民の皆さんが、地域の魅力や課題を共有できるよう、区として、まちづくりに関わる情報を適切に集約し、お知らせすることも重要であると考えている。ガバナンス条例制定に併せ、まちづくりに関する情報は、区民と区との共有の財産との認識のもと、情報共有の一層の充実に努めてまいりたい。

4 墨田区観光協会について

観光事業を進めることは、広く国内外からのお客様を区内に誘客し、飲食やお土産などの消費行動を通して地元の企業・お店に経済効果をもたらすことが最終的な目的である。観光協会がこうした目的達成のために、来街者の方々に区内の観光資源の魅力を体感し楽しんでいただく仕組みを構築し、観光事業として展開することで、地域経済の活性化につなげることが協会の役割と考えている。
従って、観光協会そのものが大きな利益をあげるというよりも、協会が自らの役割を果たして地域経済が潤うことによって、協会へ会費収入や事業収入などとして還元されるといった、循環型の観光モデルが望まれる。ただし、経営自立の観点から、収益事業を実施し、少なくとも自らの組織運営経費と自主的公益観光事業に充当することで、限りなく補助金ゼロに近い体制の構築を目指すとの考えを協会から報告を受けている。

現在、協会では区の予算案が示されたことを受けて22年度事業収支計画を策定中だが、概略の予算構成は、約8割が区補助金と委託料で占められ、自主財源は2割程度で、財政体質はまだ極めて脆弱な状況にある。法人化後まだ1年を経ていない段階だが、新タワー開業に向けて一刻も早く事業体制・組織体制を軌道に乗せて、循環型の観光モデルを構築できるよう協会を支援していきたいと考えている。

重点事業を観光協会へ随意契約の形で委託することが最適の事業形態かとのことだが、区が予算として計上させていただいた事業は「墨田区観光振興プラン」に基づいて計画し、実施するものである。そのなかで、観光協会が実施することで地域との連携が図られ、墨田区ならではの事業展開が期待できるものについては協会へ委託する形をとらせていただいている。

補助金依存からの脱却事業についてだが、これまで旧文化観光協会が実施してきた事業については、区民に楽しみを還元する公益的事業が主でたったので、区からの補助金によって大部分を賄ってきた。今後は収益事業への取組等により補助金依存からの脱却を目指していくとの考えを協会から聞いている。

今後、数年間の観光協会の予算方針・財源基盤の補強対策についてだが、中期的な財政収支計画については、次期総会において示されると聞いている。当面、組織体制と事業基盤の強化を図り、その上で新タワー開業までに収益事業の柱を構築し、収益を公益的事業に充当して区からの補助金を限りなくゼロに近づけることが課題であると、区と協会の双方で認識をしている。したがって、観光協会に公益法人並みの支援をしていることについては、協会の事業内容の公益性と収益性を検証しながら、協会の活動が地域活性化に果たす役割などを踏まえて必要な支援はしていきたい。

観光プロモーション等に関心をもつ企業を参画させ、一段階レベルアップした事業展開をすることについては、IT技術の進歩の速さや社会の様々なシステム変化は新たなビジネスチャンスを生んでいるが、観光分野においては、これらの影響を大きく受けていると考えている。観光事業の性格上、時代の先端を追いかけながら新たな事業展開を進める必要があり、観光協会としても事業を進めるにあたっては、こうした企業の新たなアイデアを取り入れたり、企業との連携を図るなど柔軟に対応していきたいと聞いている。

(教育長答弁)

1 学校教育の動向と教育委員会の対応について

(1) 「小1問題」「中1ギャップ」の予防・解決のための教員加配について

今回東京都教育委員会から示された新たな教員の加配については、入学直後のきめ細かな指導を人員面から支えるものとして、教育上の効果が大きいと期待できるものと考えており、本区においても基準に該当する学校があれば、その配置を積極的に要望していく。

この加配教員の活用方法として、学校と教育委員会が連携しながら、施設面や加配される教員の状況、児童・生徒の実態等を十分に考慮して、各学校の実情に応じた対応ができるよう指導していく。

加配教員の配置見込み数は、各学校への入学予定者が未だ確定できていない現時点では、確定できない状況である。なお、教員の配置そのものは都費で行われているので、本区における予算案への計上はしていない。本区の幼小中一貫教育と教員加配との関連については、幼小間、小中間での学習指導や生活指導の連続性を図ることが、墨田の子どもたちの健やかな心身の育成や確かな学力をはぐくむうえで極めて重要であると考え、幼小中一貫教育に取り組んできた。今回の「小1問題」「中1ギャップ」に対応する教員加配も、この考えと機を一にするものと受けとめている。したがって加配教員をこれまで区費で対応していた一貫教育コーディネーターとしての活用も図れるのではないかと期待している。

今後とも、都教委の具体的方針を見極め、適切に対応してまいりたい。なお、今回の加配教員を、学級規模を縮小し、学級数を増やす方向で活用した場合は、一部の学校で教室数が不足する可能性もある。その点では、学校施設状況等を勘案しながら、学校側と協議してまいりたい。

(2) 土曜授業の実施について

新学習指導要領の完全実施に向け、教育課程に位置付けられた授業を土曜日に実施することは、大変意義のあることと認識している。

都教委から示された、「学校週5日制の趣旨を踏まえること」及び「保護者や地域住民等に開かれた学校づくりを進めること」との方向も本区の考え方に沿うものである。土曜授業の実施については積極的に受けとめ、23年度からは全区的に実施できるよう条件整備をはかりたいと考えている。当面、22年度については、学校の実情に応じて実施するよう各学校に指示することとした。

一方で、土曜補習教室については、22年度から、新たに「放課後学習クラブ」事業を展開することとしており、この事業との調整も図ってまいりたい。さらに、土曜日において、一斉授業を大幅に拡大するに当たっては、関係方面との事前の調整が十分必要であると考えている。このため、土曜授業の円滑な全校実施に向けて、検討会を設置し、様々な課題を抽出・検討したうえで、本年の早い時期に方針を固め、必要な条件整備を行ってまいりたい。
また、土曜補習教室についても、この検討会の中で協議していく。

(3) 指導能力の高い教員の獲得と育成について

最大の教育資源は教員である。したがって個々の教員が一人ひとりの児童・生徒の理解力に応じて丁寧かつ柔軟に教科指導できる能力と熱意をもつことは極めて重要である。そうした人材の育成と確保について、2つの提案をいただいた。

一点目の、能力の高い人材を墨田区に集めるため、情報収集すべきとの意見については、引き続き各方面から情報を収集し、積極的に都に要請していきたいと考えている。

二点目の、教育委員会が指導能力の高い教員を自前で養成すべきとの意見については、これまでの育成研修等に加え、新たな取組として、区内で選抜した将来を担える可能性の見込まれる教員を対象として、年間をとおしたカリキュラムを構築し、資質向上のための養成を図っていきたいと考えている。

今後とも、指導力のある教員の育成に積極的に取り組んでいくので、ご理解いただきたい。